kiyoshi-sawano’s blog

沢野清です。 趣味はラクガキです。コントーション(軟体芸)的なものをよく描いてます。

 『泰平ヨンの航星日記』読了

 とにかく再販万歳!!と言いたいですね。スタニスワフ・レムの本が再販されるなんて、『ピルクス物語』が、そこそこ売れたんでしょうか?何にしてもありがたいことです。内容は、さすがに1953年初出のものから1971年初出のものまで18年間に渡る作品が収録されているだけあって、ばらつきがあるのですが、どれも独特のアイディアとそこからの演繹が凄かったです。なかでも「第21回目の旅」は科学の進歩がもたらす「人間」のありかたの絶望的な変貌を描いていて、非常に印象的でした。
 帯には「報復絶倒の物語」などと書かれてますけど、ホラーっぽいのもありますし、その他のドタバタ喜劇風のものも、ベースは人類社会の風刺がベースになってて、あまり素直に笑えない感じです。その分、SFとしての価値は高いと思いました。