スタニスワフ・レム『大失敗』を読了

FIASKO‐大失敗 (スタニスワフ・レムコレクション)

　通勤の電車で立ってハードカバーを読むのは、腕の筋肉のトレーニングになりますね・・・。それはともかく、レムの最後の長編は、やはり凄かった！！まさに自作の集大成、いうなれば、これはレム版『大甲子園』？。ピルクスは出てくるは、『宇宙創世記ロボットの旅』のある話の正反対の展開はあるは、『星からの帰還』みたいなウラシマ太郎の主人公は出てくるは、『砂漠の惑星』みたいにその主人公はクライマックスを盛り上げるは・・・etc
　正直、『砂漠の惑星』のような感動はしませんでしたが、身もふたも無い論理の積み重ねと、それに直面する人間の葛藤のドラマは、レムにしか書けないもので、買った甲斐がありました。
　また、第１章にあたる「バーナムの森」は、それだけでも読む価値のある傑作と言えると思います。