kiyoshi-sawano’s blog

沢野清です。 趣味はラクガキです。コントーション(軟体芸)的なものをよく描いてます。

速水螺旋人氏の『スパイの歩き方』

  • 速水螺旋人氏の『スパイの歩き方』を読了。スパイ物のパロディは映画などで結構あるジャンルなわけですが、さすが速水氏、独特なマニアックさでパロってました。メインの「スパイの歩き方〜好ましからざる人物〜」は4コマ漫画なため、ナンセンスなギャグがポンポン出ていて、その方向性がとり・みき氏や唐沢なおき氏に近いと感じる所もありました。しかし、キャラの立たせ方のうまさと可愛い絵柄が速水氏らしいと思いました。あと、全体的に百合度が高いのも俺的に良しであります。
  • 速水氏の作品としては、『靴ずれ戦線 -魔女ワーシェンカの戦争-』がロシアの民話や伝説をモチーフにしていたり、『大砲とスタンプ』が近・現代の官僚制度や戦争と個人や地域社会のかかわり方をモチーフにしていたりしているのに対して、割と自由にドタバタギャグをしていて、『オープンダイス・キングダム』に近いと感じました(ちなみに私は、速水氏の単行本では『オープンダイス・キングダム』が一番好きだったりします)。そう言えば、どちらもジャンル自体(スパイ物とRPG的ファンタジー物)をパロディにしている点も同じですよね。
  • 外伝として収録されている「スパイの歩き方〜好ましからざる人々〜」は4コマではないスト−リーマンガで、6話収録されてます。どれも割とSFっぽい作品(スタニフワフ・レムの法螺話SFみたい)で、かつて速水氏が同人誌に描いていた作品を思わせ、懐かしさも感じました。というか、ナンセンスSFショートショートとして、凄く良くできてると思います。あと、ゲストキャラ(?)のうどんの自動販売機がいい味出していて好きです。