野田昌宏氏が6月6日にお亡くなりになったそうで。私の場合、野田氏関係の本で最初に買ったのは何と、サンケイ新聞社の『第二次世界大戦ブックス59 ユンカース急降下爆撃機』だったりします(野田氏の翻訳)。氏が翻訳をしていたのは後から知ったんですが。氏を意識しだしたのは、加藤直之氏のイラスト目当てに買っていた、A・バートラム・チャンドラーの「銀河辺境シリーズ」の翻訳者としてでした。作家としては、『銀河乞食軍団』の第一話には衝撃を受けたものでした。現代スペオペの第一人者(当時)のラリイ・ニーヴンよりリアルな(というより生活感ある)メカ描写のスペオペにメロメロになったのですが、巻を重ねてマンネリに陥ったのが残念でした。あと、短編集の『あけましておめでとう計画』も、アーサー・C・クラークの『白鹿亭綺譚』を思わせて好きだったのですが、舞台となった日本テレワーク社が、テレビ番組の制作過程でやらせや捏造をしていたことが2005年以降発覚してしまい、なんとも複雑な気持ちにもなりました・・・。当時の野田氏はどのようなお気持ちだったのやら・・・。
SFマガジンの今月号「クラーク追悼特集2」を買ったばかりだっただけに、感慨もひとしおです。やはり、SF文学のひとつの時代が終ろうとしているんだなぁ・・・。
- 作者: 野田昌宏
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1979/12
- メディア: 文庫
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