SFつながりで私が昨年読んだSFベスト1を(今頃ですが)・・・。
ワイオミング生まれの宇宙飛行士 宇宙開発SF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)
- 作者: アーサー・C・クラーク,スティーヴン・バクスター,アダム=トロイ・カストロ,ジェリイ・オルション,アンディ・ダンカン,ウィリアム・バートン,ジェイムズ・ラヴグローヴ,エリック・チョイ,中村融,鷲尾直広,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/07/30
- メディア: 文庫
- 購入: 7人 クリック: 98回
- この商品を含むブログ (45件) を見る
知らない人が読めばノンフィクションと勘違いしかねない作品なのですが、なぜか私にはれっきとした「SF」として読めてしまうんですよ(そしておそらく多くの人もそうだからこそ、このアンソロジーに収録されているんでしょう)。歴史小説や時代小説も作者が事実を元に想像力でエピソードを膨らませる点では似たような事をしているのに、何故なんでしょうか?私なりの解釈としては、おそらく、A・ダンカンがエピソードを創作するにあたって,1940〜50年代の(A・C・クラークやハインラインその他の)宇宙開発テーマの作品が持っているようなスピリットを志向した結果ではないか、と思っております。宇宙を目指すために人は何をしなければならないのか、そして何を犠牲にしなければならないのかをリアルに描いたこの作品は、ある意味、究極のハードSFと言えるのではないのでしょうか。